教育訓練給付制度??知らないと損をする
チームSKM 経営コンサルタントの 吉田 です。
皆さん、厚生労働省が実施している個人を対象とした
「教育訓練給付制度」をご存じでしょうか?
※個人とは:雇用保険に一定期間加入していた在職者
または離職後1年以内の人
【「自己啓発の実施について」 】
厚労省の「能力開発実態調査(個人調査)」によれば、
直近1年間で自己啓発に取り組んだ人は
全体の約35%。
皆さんは 多いと感じますか?少ないと感じますか?
(私は自己啓発と言っても通信教育や通学以外に
テレビ、ラジオの自学・自習を含めている中の数字
なので、すごく少ないと思いました。)
次に、その自己啓発に取り組んだ人で何らかの
補助を受けた人は約45%。
平均補助額は3万7千円程度という数字がありました。
また、補助の9割は勤務先から出ており、
国の「教育訓練給付制度」を実際に利用した人は、
わずか2%程度にとどまります。
尚、調査結果は労働者全体の数値を
引用しているため、雇用形態や性別などによるばらつきが
あります。
【「知っているだけ」と「使いこなせる力」】
「自己啓発をすれば給付金が出る」という情報は、
意外と多くの方が耳にしたことがあるかもしれません。
それでも、実際に制度を「使いこなしている人」は
ごく一部です。
制度が使いづらいというより、申請や要件確認の
手間に面倒・難しいという心理的な壁があるのかも
しれません。
私自身もこれまでに5回申請経験があります。
(一般教育訓練4回、専門実践教育訓練1回)
受給に至ったのは3回。 残り2回は、途中で
学習継続が困難になったり、課題提出が期限に間に
合わなかったりといった「要件未達」による不受給でした。
「知ってはいても、使い切るのは簡単ではない」——
そんな制度かもしれません。
【最初の一歩を踏み出せるか】
私がこの制度を最初に知ったのは25年以上前。
当時、人事担当として「自己啓発支援冊子」を作成し、
この教育訓練給付制度を社員に紹介していたのを
覚えています。
今回紹介したこの制度に限らず、「知らない」
「知っていても使わない」という構造は、
多くの企業に共通する問題です。
結局、成果を出すのは「知った上で、動いた人」です。
その差が個人のキャリアの差につながります。
そしてこれは、企業にとっても同じことが言えるのです。
【企業向け制度も要チェック】
今回は個人向け給付金制度を中心にお話し
しましたが、企業や事業所が活用できる
教育関連の助成金も存在します。
・人材開発支援助成金
・キャリアアップ助成金 等
ですが現状としては、
・制度の存在を「知っている」企業:約35%
・実際に制度を「利用した」企業:約10%
人材投資が企業の成長、他社との差別化となる時代
において、あまりにも活用できていない数字ですよね
【まとめ】
「一学一践(いちがくいっせん)」という
言葉があります。
一つ学んだら、一つ実践する——
まさに今、それが求められているのではないでしょうか
経営者やリーダーの皆さんこそ、まず制度を
知り、理解し、そして実践することを試みてください。
社員の学びやキャリア形成を支援するために、
制度を「味方」にして、現場で活かす。
それが、組織としての強さにつながるはずです。
7月には最新の「能力開発基本調査」結果も
発表予定されます。
そして10月からは、教育給付金関連の
新制度が施行されるとのこと。
引き続き、着目ください