経営コンサルタント直伝  デキるビジネスパーソンが実践する、”耳活”読書術とは?

前号では、池原さんよりオーディオブックの活用
についてお伝えさせていただきました。

ところで、私も日頃からオーディオブックを
愛用している一人です。

池原さんの書かれてた通り、小説との相性はいいと
私も感じています。特に、Audibleのようなプロの
朗読者による読み上げは、小説の世界に深く
没入させてくれるので、読書という行為
そのものをより豊かにしてくれることでしょう。

もし、これまで漫然とネットサーフィンに
費やしていた時間を「耳読書」に
置き換えることができれば、日々はより実り
多いものになるのではないでしょうか?


さて、今回は私なりのオーディオブック活用法を、
ご紹介したいと思います。

小説以外のジャンルで、私が特に推奨したい
活用法が2点あります。



その1:少し難解な本に”耳”から挑む

「少し難解な本にチャレンジする」という活用法です。

「あの名著を読破したいけれど、途中で
挫折してしまう…」といった経験をお持ちの方も
いらっしゃるのではないでしょうか。

時に難解な概念や複雑な論理展開を含み、集中力
を要するため、紙媒体で読み進めるのは骨が
折れるものです。

しかし、オーディオブックであれば、
耳から情報をインプットするため、
比較的リラックスした状態で聴き進めることができます。

コツは、万が一、少し集中力が途切れてしまっても、
紙媒体のようにページを遡って読み直しにくいため、
全体を通読するハードルが格段に下がります。
(あくまで通読で、精読には向きません)

プロのナレーターが語ってくれるオーディオブック
なら、多少理解が追いつかなくても全体を
「流し聴き」できます。重要なのは、“全体像”を
まず掴めることです。

実際に私は『サピエンス全史』や『ホモ・デウス』
といった本で、面白いのにナカナカ進まなかった
のですが、紙ではなく音で聞き通すことで、
内容把握のハードルが大きく下がりました。



これらの書籍は、人類の歴史や未来について
壮大な視点で語られており、聴く読書だからこそ、
その広大な世界観を無理なく脳内に
インストールできたように感じています。


その2:自己啓発・ビジネス書の”ながら聴き”で思考の伴走者に


二つ目は、自己啓発書やビジネス書への応用です。

池原さんも指摘されているように、
図表が多い書籍はオーディオブックには不向きです。
しかし、文章主体のものであれば、活用できます。

特に私が実践しているのは、ピーター・ドラッカーの
『マネジメント』や、松下幸之助の「道をひらく」の
ような古典的名著をオーディオブックで聴くことです。

ドラッカーの深遠な思想を耳からインプットしながら、
同時に現在取り組んでいる仕事やテーマについて
思考を巡らせるのです。


例えば、「マーケティング」の部分の話を聞きながら、
「自分の担当するサービスに当てはめると?」
と思いを巡らせるといった具合です。

ゼロベースで考えているよりも、読書に集中する
よりも、「聞こえてくる内容に、自分の今の仕事
や課題を重ねて考える」ことに効果を感じています。

このとき起こる「内省」と「発想力の喚起」こそが、
自分だけの価値ある読書体験になります。



目で読む読書では、「読む」という行為そのものに
脳のリソースが割かれがちです。
耳から情報を入れるオーディオブックなら、
脳に「考える」ための余白が生まる感覚があります。

心理学でいうところの「デュアルタスク」に近いのでしょうか?

聴覚からの情報処理と、それに伴う思考活動を
同時に行うことで、より深い学びと洞察を生み出すことができます。



さて、私のオーディオブック活用法ということで、
少しビジネス雑誌的なタイトルを付けて、
お届けしてみました。

「デキるビジネスパーソンが実践する」
とありますが、私が「出来るビジネスパーソン」
と自分で思っているわけではなく、
少し遊び心を加えてタイトルにしただけです。

このあたりはご容赦くださいませ。(笑)


私たち一人ひとりの知識や経験には限りがあります。

人から学ぶことも非常に有効ですが、
それにも限界があるのも事実です。

しかし、読書だけでなく、耳読書「耳活」、
オーディオブックを上手に活用することで、
体系的な知識を効果的に習得しながら、
ご自身の思考を鍛え、深めていくことが可能になります。


この「耳活」読書術は、ぜひ一度、お試しください。