「一家を廃して、万家を興す」“その先”にある経営の秘密 ~報徳の4つの柱

チームSKM 佐々木千博です。

人がイキイキ働き、仲間に感謝が生まれ、助け合いが起こる。
そんな職場は、偶然ではありません。

「そうなるように」つくられた職場だけが実現できます。

今回のメルマガは、
二宮尊徳が200年前に示した“持続的に繁栄する組織のつくり方”を
現代の経営と組織づくりの視点で紐解いていきます。

前編でお伝えしたとおり、尊徳は
「一家を廃して万家を興す」という
圧倒的な覚悟をもって行動しました。

前編:「一家を廃して万家を興す」小田原・尊徳ツアーより
https://s-kando.com/archives/11268


しかし彼が偉大なのは、精神論ではなく、
再現性のある成功モデルを残したことにあります。

その核心となるのが、報徳思想の4つの柱
「至誠」「勤労」「分度」「推譲」です。

そして昭和期の代表的名経営者のお一人、
土光敏夫氏はこう述べています。

「尊徳先生は、至誠を本とし、勤労を主とし、
分度を体とし、推譲を用とする、報徳実践の道を唱えられた」

ここから4つの柱を、現代の会社づくり
という視点で解説していきます。


「至誠」会社の“心の軸”が定まっている

尊徳が説いた「至誠を本とし」とは、
損得よりも、正しさ・道理・人の幸せを優先する“心の軸”
を持つこと。

お天道様に恥じない行動をするということです。
経営で言えば、損得よりも理念を優先し、
理念を判断軸に行動するということです。

理念は“飾り”のままでは、意味がありません。
意思決定とそれに基づく行動がブレます。

理念が判断基準、行動基準になる会社は、
迷いが減り、主体性が生まれ、誇りをもって働けます。

至誠とは、
「迷わない会社になるための背骨づくり」

意思決定が速くなり、組織に一貫性が生まれ、
顧客の推奨が自然と増えていきます。


「勤労」価値を生み出す仕事に設計できているか

尊徳の「勤労を主とし」は、現代でいえば、
ただ汗を流せということではなく、
“働くこと”ではなく“価値を生み出すこと”
を中心に据えるという考え方でしょう。

長時間労働でも、成果主義でもなく、
核心はたった一つ。

「自分の働きが、誰かを助け喜ばせているか?」

この実感がある人は、学び・改善・成長し、
成果を伸ばすのではないでしょうか?

価値にフォーカスした勤労で、
エンゲージメントと売上が同時に上がります。


「分度」無理のない運営と幸せの持続性

尊徳はこう戒めました。
「分度を越える過ちは恐るべきものだ」

分度とは、
収入・体力・組織の実力に照らした“ちょうどよい線引き”

・売上は伸びているがキャッシュは苦しい

・拡大しているが中で疲弊が起きている

こうした“成長の裏でのひずみ”こそ危険です。

分度とは、
「無理せず成長し続けるための設計」

分度が守られる会社は、離職・摩耗・衝突が減り、
成長が安定し続けます。

努力・根性も時には悪くないと思いますが、
いつも「ここが踏ん張り時」とか言っていると、
やはり無理が生じるように感じます。


「推譲」余剰を“未来の繁栄”に変える仕組み

尊徳が示した推譲の姿はこうです。

「分度を守って余財を推しゆずる」

つまり、
分度の内側で生まれた余剰を、
未来と他者の繁栄につながる形で回すこと


寄付や善行の話ではなく、
“次の豊かさを生む投資・還元・循環”という合理的な思想です。

推譲が根付く組織は、
社員・顧客・パートナー・地域から“応援され続ける会社”になり、
それが長期の競争力になります。


4つの柱の循環が、繁栄のサイクルを生む

至誠 → 判断基準が定まる

勤労 → 価値とやりがいが生まれる

分度 → 無理なく成長が続く

推譲 → 信頼資本が蓄積する

この循環が回った会社は、
社員が辞めず、顧客が増え、売上が伸び、
未来への投資余力まで生まれてきます。

二宮尊徳が示した報徳は、
まさに“イキイキ職場 × 売上成長”の原型です。

働く人の幸せと成果の両立は「理想」
ではなく「実現できる現実」です。


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