ある上級管理職研修でのお客様質問への回答

今号では、とある大手企業様の上級管理職研修で、
後日頂いた質問メールへの回答を、
ほぼそのまま共有したいと思います。
 
研修内容は、上級管理職の課題解決と仕組み化
のスキルをケースメソッドで学ぶ内容でしたが、
とても熱気を帯びた時間になり、その後の懇親会も
大いに盛り上がりました♪
 
ただ理屈を学ぶのでなく、リアルに近い状況で
実践的に学ぶことの有効性を感じています。
 
では、本題です。
以下の質問をある上級管理職(役員の一つ下くらい)
からいただきました。


同じようなことは、各社でもありえるのではないか?
と思いますので、ご参考になれば幸いです。
 
  
【質問】

当部署から現場へ色々な情報を発信している
のですが、中間管理職層の忙しさから現場への
伝達が不十分となり、現場係員まで意識や情報が
伝わらないのが現状です。

あの手・この手(瓦版や通信などの配布、
現場へ出向いての研修)を実施していますが、
その他に何か新しいアイデアが有れば教えて頂ければ助かります。

 
 
【私の回答】

 

具体的に取り組まれていることを詳しくお伺いしないと
何とも言えないところはありますが、「伝える方法と内容」の観点と、
もう一つ重要なことがあると思っています。

それは、インプットだけでは、あまり機能しないという点です。

私が常に意識しているのは、
インプット・アウトプット・フィードバック
をセットで考えるということです。


私の研修でもアウトプットとフィードバック
がかなりの割合あったと思います。

伝えるだけで、アウトプットの機会を
作れていないということはないでしょうか?



次に伝える方法について

・例えば、中間管理職を通さない伝え方も考えられます。
 文字があまり読まれないなら、動画や音声も使えます。
 マンガやイラストを入れると読んでもらいやすいということもあります。
 今はAIで誰でもある程度は作れます。
 (余談ですが、私もAI活用の研修が最近増えてきました。)


・中間管理職の負担を減らす、伝えやすくするという観点で、
 中間管理職にヒアリングして対策を考えることも大切です。
 (内部マーケティングリサーチです)


・アウトプット機会とも関連しますが、テストにするのも
 非常に効果的な方法です。これもAIを使えば簡単にできます。


・一般論より成功事例の共有などストーリー性のあるものの方が
 興味関心をもってもらいやすいです。クレームからの大逆転劇
 などもよいと思います。



また、中間管理職を中抜きするリスクについても
考えられているかもしれません。この意識はとても大切です。
いくつか対策など考えられます。


・中間管理職の役割を再定義し、役割分担する。
 中間管理職の役割を「伝達」から「理解促進・実行支援」へシフトします。
 〇〇の情報伝達は□□部で発信するので、現場管理職は、
 その理解促進・実行支援こそお願いしたい! とする。


・そのためも含め、中管理官離職者には一般向け伝達+αの情報を提供し、

 ちょっとした優越感と、現場落とし込みの支援をする

・現場から皆様への報連相は、中間管理職者の仕事として
 しっかり認識してもらいフィードバックループを回す。



組織が大きくなってくると、このような問題は
どうしても起きがちですが、一つの方法に過度な期待を
せずに、多面的に対策を考えることが必要ですね。



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