モノに想いを乗せて語る展示物スピーチ

私たちが日々、部下や仲間と心を通わせたいと願っても、
「自分の想い」や「価値観」を言葉にするのは、
意外と難しいものです。

仕事の成果や数字なら語りやすいけれど、
自分自身の人生や大切にしている価値観となると、
どう伝えたらよいのか戸惑うことがあります。


そんな時に有効なのが「展示物スピーチ」です。

自分にとって大切な“モノ”を手がかりに、
自分の歩みや想いを語る方法です。

大切な”モノ”には、その人の歴史や思い出が宿っています。
だからこそ、自然に「その人らしさ」がにじみ出て、聞き手の心を動かします。


私自身、先日、久しぶりに研修参加者の方への
サンプル事例として、「展示物スピーチ」をやりました。


非常に個人的な内容ですが、
以下のような話をしました。


~~ 私が話したこと ~~

夏のお盆の時期に、子どもたちを連れて
実家へ帰省したときのことです。

お墓参りをしながら、子どもたちに「今の幸せは、
ご先祖様のおかげでもあるんだよ」と伝えたかった。

そんな思いで、アルバムをめくっていたところ、
母が一枚の古い書状を見せてくれました。


それは昭和12年、私の曾祖母が「大日本国防婦人会の組長」
に任じられたことを示す嘱託状でした。

私が小学校3年生の時に他界した曾祖母。
その存在を改めて思い出しながら、その書状を
手にしたとき、私は深い感謝の気持ちに包まれました。


大日本国防婦人会が良いか悪いかではなく、ひいばあちゃん
一生懸命にお国や大切な人のために頑張ったんだろうなと。

そして、祖父母も命からがら戦争を生き抜き(祖父母の兄弟は
たくさん亡くなっています)命をつないでくれました。

その積み重ねの先に、父母がいて、私がいて、
さらに私の子どもたちがいる。

そのことを強く実感したのです。


私は、生きていくうえで必要な力を二つに限定するとしたら、
以下の二つだと考えています。

一つは、自分で自分を幸せにする力。
もう一つは、力をつけて人を幸せにする力。

この二つがあれば、人生は大丈夫だと信じています。

では、”自分で自分を幸せにする力”の源泉はどこにあるのか?


私にとって、それは、まさに父母、ご先祖様への
敬愛と感謝の気持ちです。

今回のひいおばあちゃんの嘱託状を見て、
改めて、その思いを強くしました。

~~ ここまで ~~


モノは、昭和12年の賞状のような嘱託状です。
でも伝えるものは、父母・ご先祖への私の想いと、
それが私の力になっているということです。


私たちが組織のリーダーとして人を率いるとき、
仕事上のやりとりだけでは築けない
「温かい人間関係の素地」が必要です。

展示物スピーチは、その土台をつくるために有効な方法の一つです。


机の引き出しに眠っている手紙、古い写真、
学生時代に使っていたノート。。。

どんな小さなものでも、その人にとっての
「大切なモノ」には、必ずストーリーが宿っています。

それを仲間の前で語り合うことで、
互いの価値観や人間性を知り、信頼が育まれます。


ぜひ、皆さんの職場でもチャレンジしてみてください。
展示物スピーチを通して、自分の原点を再認識し、
仲間と心を通わせる時間をつくる。


それが、温かく力強い組織づくりの第一歩になるはずです。


** 是非ご参加下さい *******

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