「OJTで育てています」…それでホントに大丈夫?
今回は、「経営幹部育成」について、
もう一歩踏み込んだ視点でお話ししたいと思います。
前回は、「幹部をどう育てるか」
という観点からお伝えしました。今回はその続編です。
経営者やリーダーの皆さんにこうお尋ねすることがあります。
「ところで、御社にはリーダー育成の仕組みはありますか?」
「幹部を育てる“人財育成体系”は、整理されていますか?」
すると、意外と多い答えが、
「うちはOJTやっていますよ」
なるほど・・・
OJT(On the Job Training)は現場のリアルを
学ぶには有効ですし、理屈より実践、
という文化を大切にしてきた中小企業にとって、
自然な選択肢です。
ですが、私の経験から言うと
「OJTでやっている(だから大丈夫)」
と言う企業ほど、実は“育っていない現実に
直面していることが多いように思うのです。
■「OJT任せ」では、幹部は育ちません
なぜOJTだけでは不十分なのでしょうか?
それは、OJTには明確に限界があります。
・教える側の能力に左右される
(ベテランの背中を見せても、言語化されていない)
・今ある業務の中の指導中心で、未来創造の指導は限界がある
・本質的なマネジメントやリーダーシップが、
現場で体系的に伝えられない
・社内の思考力・構想力・スキルが指導の
天井になってしまう
・忙しさの中で、育成が“後回し”になってしまう
つまり、「やっているつもり」が一番危険。
気がつくと、現場任せ・個人任せになり、
“育成”が「自然発生」に近い状態で
放置されてしまっていることが多いのです。
■「人財育成」は“仕組み”で推進する
OJTは大切ですが、育成体系の一部にすぎません。
今、必要なのは、
「育成の全体設計」=人財育成体系の構築です。
単に研修を増やすという話ではありません。
たとえば、以下のような流れで設計されているでしょうか?
1.経営幹部に求める要件(スキル・マインド)を定義する
2.それを段階ごとに「見える化」し、育成プランに落とし込む
3.現場OJT・Off-JT・
4.定期的に対話したり、チェック機会を設けて
成長の手応えを確認する仕組みを持つ
これは、【仕組み】であり、【育成文化】でもあります。
そして、この体系がしっかり整っている企業ほど、
幹部が自ら学び、育ち、支える人が育つという
「好循環」が生まれていきます。
■「人が輝く経営」には、育成の“見取り図”が必要
人が大事という会社でも、
少し根性論が先行している会社も多いように感じます。
想い・情熱は大切。
ですが、システム・仕組みも同じように大切です。
仕組みがないと、バラツキが大きくなります。
もし、育成体系が「まだない」としたら?
それは、これから描いていけばいいのです。
完璧なものを最初から作る必要はありません。
まずは、小さな見取り図でもいい。
「どんな幹部になってほしいか」
「幹部に求める要件」
それを明確に言語化するところから、始めてみてください。
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