自営型雇用というスタイルはどうでしょうか?
前回のメルマガで、
ジョブ型雇用を日本で導入する際の課題について
お話ししました。
今回は、これに代わる可能性「自営型」について、
種本「自営型」で働く時代 ―ジョブ型雇用はもう古い!―
を参考に一緒に考えたいと思います。
本に紹介されている「自営型雇用」は、
ジョブ型やメンバーシップ型とは一線を画す働き方です。
個々の従業員がフリーランスのように、
自身のスキルや経験を生かしながら、
会社とは柔軟な契約関係を築きます。
例えば、ある企業では技術者が自営型の立場で
会社に参画し、プロジェクトごとに報酬を
受け取る仕組みを導入しています。
この働き方では、企業は専門性の高い人材を
一時的に活用しつつ、固定的な人件費を
削減できるというメリットがあります。
日本でもこの「自営型」の考え方が
浸透しつつあります。
例えば計測器メーカーのタニタでは、
従業員が一度退職し、その後個人事業主として
業務委託契約を結んで再び働く仕組みを採用しています。
この柔軟な雇用形態は、社員に新たな成長機会を
提供するだけでなく、企業にとっても
スキルのある人材を持続的に活用できるメリットがあります。
また、近年注目を集めている「アルムナイ制度」も、
自営型の一例と言える運用も出来ます。
これは、退職した社員とのネットワークを維持し、
必要に応じて再び契約してプロジェクトに
関与してもらう仕組みがつくれます。
企業は信頼性の高い人材を確保しつつ、
フレキシブルな雇用関係を築くことができますね。
この本に書かれている自営型という形は、
ハードよりもソフトのウエイトが高い時代に
主体性を発揮することが重要な時代に、
制度面というよりマインド面でも重要だと
思っています。
私の経験からも、お話したいと思います。
私は今、(株)佐々木感動マーケティングを
経営しながら、F社という会社のマネージャーを
やっています。社員ではありませんが、
マネジメント業務を仰せつかっています。
そこで一緒に働いている仲間も、従来の
正社員という固定的な枠組みに囚われない
働き方をしているメンバーが多いです。
だからといって、一体感がないということは
全くありません。そのへんの会社より、
よっぽど主体性と責任感と連携があると
感じています。
もう一つ、これは私が30才の時に、
形式的には正社員ですが、自営型として
意思決定した経験があります。
勤務先を自分株式会社の最重要得意先
と再定義して、働き始めることで、
働き方が変わって、どんどん自己実現
できたという経験もあります。
この場合、制度は何一つ変わっていない
のですが私のマインドセットが変わった
ことで、キャリアがどんどん豊かになって
いったというお話です。
企業経営の側面からも、
主体性ある人財とWin-Winの関係性を
築ける可能性が生まれますし、
働く一人一人も、従属的でなく、
主体性をもって働くことで、
より一層キャリアが輝く可能性を秘めています。
(逆に、ぶら下がりの人には辛い制度です)
自営型という制度や働き方・考え方、
ぜひ取り入れてみてください。
※会社の業種業態や風土によっても異なりますし、
全部を雇用型にすればいいということでもありません。
自社にあった制度や考え方を取り入れてくださいね。